
プッシュ式スターターでエンジンを目覚めさせる。アイドリングは約700rpm。この状態では Legalis Elegant から
聞こえてくる排気音はとても静かだ。測定値でもノーマルより1dB低い。
少し押し殺したようなノート(楽器などの音という意味)。コクピットで聞いていても不快な「こもり音」は聞こえてこない。
よくチューニングされたエキゾースト系を持つクルマは、音が汚れていない。
こもり音の正体は80ヘルツあたりの低い周波数帯だが、Legalis Elegant はそこをうまくカットしてある。
クルマから降りて確かめてみると、ガレージ内に響き渡る音は、よく締まった低音だ。
自分の愛車がこのような音を奏でてくれるのは実にうれしい。
地下駐車場のような場所でも、ボーボー言うような不快な共鳴は起こらない。しかし、音そのものには存在感がある。
アップダウンのあるワインディングロードをゆっくり流す。2000rpmあたりから少しずつ音が変わってゆくのが分かる。
スロットルのオン・オフに遅れなく反応する心地よいノートは、Legalis Elegant の排気効率が良い証拠だ。
ポイントになる180~300ヘルツの帯域をきれいに出している。エキゾーストパイプの開放端はオーバル(楕円)形状であり、
しかも熱焼けによる劣化・変色を防ぐため内側に
パイプを折り返してある中空タイプの二重構造。トランペットなど管楽器の音色を決めるのは、徐々に広がって行く「ラッパ形状」の作り方だというが、
Legalis Elegant はこの部分の構造が絶妙だ。レッドゾーンまでエンジン回転を上げても、金属のビビりによる音の濁りは感じられない。
5000rpm付近の音圧もノーマルより 1dB 低い。達人が吹くトランペットのように抜けが良く、
乾いた音色が心地よい。
ブラス(管楽器)の音は、スカッと抜けた夏の青空みたいに、どこまでも乾いた音がカッコいい。
フォーミュラーマシンのようにいっさいの消音装置を持たないエンジンでは、トランペットの名手、
フレディ・ハバードが吹くアップテンポのジャズのように豪快なサウンドになる。
しかし、マフラーを装備しなければならない市販車は、そうはいかない。
Legalis Elegant を装着したレクサスIS350のノートは、押し殺したような囁きから突き抜けるブロウまでを自在に奏でる
達人マイルス・デイビスのミュート・トランペットだ。
音色だけじゃない。測定データでも、ほぼ全域でパワーとトルクがわずかにアップしている。
凡庸な設計では、音のエネルギーを得るためにエンジンの力を使ってしまうのだが、良質のステンレス素材を丁寧な工作
で仕上げ、パイプステーやフランジ部分にも剛性の高い構造を採用した結果は、濁りのないノートとエンジン性能曲線に
表れている。腕のいい楽器職人が超一流ミュージシャンのために仕上げたスペシャルエクィプメント。
Legalis Elegantはそういうイメージだ。
ATをマニュアルモードに切り替え、ワインディングを下る。エキゾーストノートはどんなエンジン回転域でも
ジェントルで、まったく湿り気を感じさせない。このマフラーシステム全体がひとつの楽器であり、その吹き手は
ドライバー自身。そう感じさせてくれるノートだ。
すこし残念なのは、このサウンドは遮音が行き届いたコクピットで聞くよりも、外で聴くほうが「カッコいい!」と
いうことだ。つい、窓を開けて走りたくなる。それがたとえ、雨の日であるとしても。

1958年東京生まれ。日本大学芸術学部卒。
日刊自動車新聞記者、三栄書房編集顧問、四輪雑誌編集長を経て現在はフリージャーナリストとして活躍中。
著書として「アナログな日々ときどき、モバイル」(アルファベータ社)、「くるま得メンテナンス 賢く節約!
元クルマ雑誌編集長がやさしく教える「とっておき」満載」(高橋書店)、「クルマ買う前に読め!
ジャンル別完全選択術」(早稲田出版)などがある。

メインパイプは60.5φ。FIJITSUBOの社内計測値では近接排気騒音がノーマルの81dBに対して レガリスエレガント装着時が80dBとなっている。
LEGALIS ELEGANT 製品概要 |
|
| メインパイプ | 60.5φ |
| 出口形状 | 99.5×71.5φラウンドオーバルスラッシュ(II・R.L) |
| 対応車種 | GSE21 レクサス IS350 |
| ボディ型式 | DBA-GSE21 |
| エンジン型式 | 2GR-FSE |
| 年式 | H17.09~ |
| 価格 | ¥173,250(本体価格¥165,000) |